「メルカリで転売して利益が出てるけど確定申告していない」「税務署が来たって話を聞いたけど、自分のところにも来るの?」——こんな不安を抱えたまま放置している人は少なくありません。ネット上でも「メルカリ 税務署 いくらから」「本当に来るの?」といった検索が多く、明確な答えが見つからないまま不安だけが積み重なっているケースが見受けられます。

結論から言うと、税務署からの接触には「お尋ね」と「税務調査」の2段階があり、どちらかによって対応方法が変わります。お尋ねは行政指導の一環であり、正しく回答すればそれで終わるケースも多いとされています。一方、税務調査に発展した場合は修正申告や期限後申告が求められることがあります。いずれの場合も、対応が早いほどペナルティが軽くなる仕組みになっているため、放置が最もリスクの高い選択です。

この記事では、メルカリ販売で税務署に目をつけられるのはいくらからか、なぜバレるのか、お尋ねが届いたときの対応方法、税務調査の流れと準備物、修正申告・期限後申告の違いまで整理します。

メルカリで税務署に目をつけられるのはいくらから?

「メルカリの税務署調査っていくらから来るの?」という疑問は、ネット上でも非常に多く見られます。知恵袋などでは「50万円以下なら大丈夫」「100万超えなければ来ない」といった回答が散見されますが、税務署が動く金額の公式基準は存在しません

「○○万円以下なら大丈夫」という基準は公表されていない

国税庁は、税務調査やお尋ねを発送する明確な金額基準を公表していません。国税総合管理(KSK)システムが申告データや入金パターンの異常値を検知し、個別に調査対象を選定する仕組みとされています。

つまり、「いくらから来る」という問いに対しては「金額だけでは決まらない」が正確な答えです。

税務署が目をつけやすいとされるパターン

金額の大小よりも、申告状況や取引の特徴が選定のポイントになるとされています。

リスクが高いとされるパターン
  • 無申告のまま継続的に売上がある:収入があるのに確定申告の記録がない状態
  • 売上が急激に増加した:前年と比較して入金額が大幅に増えたケース
  • ネット取引の売上規模が大きい:国税庁はインターネット取引を重点調査分野に指定している
  • 銀行口座への入金パターンが不自然:定期的に大きな入金がある、複数口座に分散しているなど
  • 過去に重加算税の指摘を受けている:一度問題になった納税者は再調査の優先度が上がるとされる

ポイントは、「利益がいくら出ているか」だけでなく「申告しているかどうか」が大きなウエイトを占めるという点です。利益が少額でも、無申告が続いていれば選定の対象に入りうるとされています。

「少額だから来ない」が危ない理由

注意
「メルカリで数万円しか利益が出ていないから税務署は来ない」——ネット上ではこうした楽観的な意見も多いですが、これは根拠のない思い込みです。

税務署が最初に行う「お尋ね」は、書面を郵送するだけで済むためコストがほとんどかかりません。少額の無申告者に対しても「お尋ね」を送るハードルは非常に低いとされています。国税庁が公表している報道資料でも、インターネット取引に関する調査件数は年々増加傾向にあることが示されています。

「少額だから見逃される」のではなく、「少額でもお尋ねが届く可能性はある」と考えておく方が現実的です。

そもそもメルカリの売上に税金がかかるかどうかの判断基準は メルカリの税金はいくらから? で整理しています。不用品か転売か、利益がいくらかの判断がまだの方は先にそちらを確認してください。

メルカリの売上はなぜ税務署にバレるのか

「フリマアプリだし名前も出ないからバレないでしょ」と考えてしまう気持ちは分かりますが、税務署にはメルカリの取引情報を把握する手段が複数あります

税務署はプラットフォームに情報照会ができる

メルカリの取引データが自動的に税務署に報告される仕組みは、2026年時点では公表されていません。しかし、税務署は個別の税務調査や行政指導の過程で、プラットフォーム事業者に対して利用者の取引データを照会する権限を持っています。

つまり、普段は自動報告されなくても、税務署が「この人を調べたい」と判断した時点でメルカリに照会をかけてデータを取得できるという仕組みです。

銀行口座の紐付けが進んでいる

預貯金口座とマイナンバーの紐付け制度(2024年4月施行、2025年4月に拡充)により、マイナンバーと銀行口座の紐付けが進んでいます。税務署は従来から金融機関に照会して出入金履歴を確認する権限を持っていましたが、口座の紐付けによってどの金融機関に口座があるかの特定がさらに容易になったとされています。

メルカリの売上金を銀行口座に振り込んでいる場合、その入金パターンから「フリマ収入があるのに申告がない」と判断される可能性があります。

メルカリの本人確認は税務署への通知とは別

重要
ここで混同されやすいのが、メルカリの本人確認(eKYC)と税務署への情報提供の関係です。

メルカリの本人確認を完了しても、その情報が自動的に税務署に通知されるわけではありません。eKYCはマイナンバーカードの券面情報(顔写真・氏名・住所など)を読み取って本人確認を行う仕組みであり、マイナンバー(個人番号)そのものを取得・提供するものではないとされています。

ただし、前述のとおり税務署には個別に情報照会を行う権限があります。本人確認の仕組みとは無関係に、税務署が必要と判断すればメルカリや金融機関からデータを取得できるという点は押さえておく必要があります。

また、口座付番制度によってマイナンバーと銀行口座の紐付けが進んでおり、口座の入出金と申告内容のクロスチェックは以前よりも容易になっているとされています。

税務署から「お尋ね」が届いたときの正しい対応

税務署からの最初の接触で最も多いのが「お尋ね」と呼ばれる書面です。封筒が届いて慌てる人も多いですが、お尋ねは税務調査ではなく、行政指導の一環です。まずは冷静に内容を確認しましょう。

「お尋ね」とは何か

お尋ねは、税務署が申告内容の確認や未申告の収入について問い合わせる書面です。正式には「行政指導」に分類されるもので、いわゆる税務調査(実地調査)とは法的な位置づけが異なります。

お尋ねの特徴
  • 法的な回答義務はない:行政指導であるため、税務調査のような質問検査権に基づくものではない
  • ただし無視は推奨されない:回答がない場合、税務署は「任意調査」に切り替える可能性がある
  • 回答期限は通常2〜3週間程度:書面に記載された期限までに回答するのが一般的
  • 内容はシンプル:収入の金額や申告状況について簡単な確認を求めるものが中心

お尋ねの段階で正確に回答すれば、それで完了になるケースも多いとされています。逆に言えば、ここで放置するのが最も損な選択です。

お尋ねへの対応手順

お尋ねが届いたらやること
  1. 書面の内容を確認する:何について問い合わせされているか(収入金額、申告の有無、経費の内訳など)を把握する
  2. 取引記録を整理する:メルカリの販売履歴、仕入れの記録、経費の明細を確認する
  3. 回答書を記入する:書面に同封されている回答用紙に事実を正確に記入する
  4. 期限内に返送する:記載された期限までに郵送で返送する。不明点がある場合は税務署に電話で問い合わせる

取引記録が手元にない場合は、メルカリの取引履歴画面や銀行口座の入金履歴から可能な範囲で数字を再構築します。正確な記録がないと回答に時間がかかるだけでなく、回答内容の信頼性にも影響するため、日頃から売上と経費を記録しておくことがお尋ね対応の最大の備えになります。

無視するとどうなるか

注意
お尋ね自体には法的な回答義務はないものの、回答しない場合は税務署が「任意調査」に移行する可能性があるとされています。

お尋ねは書面1通で済む低コストの確認手段です。税務署側から見れば、お尋ねに回答がない=「何か隠しているかもしれない」という判断材料になりえます。お尋ねの段階で素直に回答していれば終わったはずのケースが、無視したことで税務調査に発展し、加算税や延滞税が上乗せされる——という展開は避けたいところです。

税務調査が来たときの流れと準備するもの

お尋ねに対応せず放置した場合や、お尋ねの回答内容から追加確認が必要と判断された場合に、税務調査(実地調査)が行われることがあります。

任意調査と強制調査の違い

重要
税務調査には大きく分けて「任意調査」と「強制調査」があります。メルカリの個人取引で関わる可能性があるのは、ほぼすべて任意調査です。
任意調査と強制調査の違い
  • 任意調査:国税通則法74条の2に基づく調査。事前に日程の連絡があり、調査官が自宅等を訪問する形式が一般的。個人の場合は通常1〜2日で完了する
  • 強制調査(査察):裁判所の令状に基づく強制的な調査。いわゆる「マルサ」。億単位の脱税や組織的な不正が疑われるケースが対象で、個人のフリマ取引で行われることはまずないとされている

任意調査は「任意」という名称ですが、正当な理由なく拒否した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があるとされています(国税通則法128条)。「任意だから断れる」というわけではない点は注意してください。

税務調査の一般的な流れ

個人に対する任意調査は、以下のような流れで進むのが一般的です。

税務調査の流れ
  1. 事前通知:税務署から電話で「調査を行いたい」と連絡が入る。日程は調整可能
  2. 当日の調査:調査官が自宅や事業所を訪問し、帳簿・領収書・通帳・PC画面などを確認する。個人の場合は通常1〜2日
  3. 質疑応答:取引の内容や申告との相違点について質問される。不明点は「確認して回答します」で問題ない
  4. 調査結果の説明:後日、税務署から調査結果の連絡がある。問題がなければ「申告是認」、修正が必要なら修正申告を求められる
  5. 修正申告または更正:指摘事項がある場合は修正申告を行う。応じない場合は税務署が「更正処分」を出す

修正申告と期限後申告の違い

税務署から指摘を受けた際に行う手続きは、過去に確定申告を出しているかどうかで変わります。

修正申告と期限後申告
  • 修正申告:過去に確定申告を提出したが、内容に誤りや漏れがあった場合に提出するもの。過少申告加算税(原則10%、50万円超の部分は15%)が発生する可能性がある
  • 期限後申告:そもそも確定申告を提出していなかった場合に、遅れて提出するもの。無申告加算税(50万円以下は15%、50万円超〜300万円以下は20%、300万円超は30%)が発生する可能性がある
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ここで重要なのが、税務署から指摘される前に自分から申告すれば、無申告加算税が5%に軽減される仕組みが設けられているとされています。お尋ねが届いた時点ではまだ「指摘前」とみなされる可能性があるため、お尋ねを受け取ったらすぐに動き出すことでペナルティを最小限に抑えられる場合があります。

さらに、納付が遅れた日数に応じて延滞税(期限から2か月以内は年2.4%程度、2か月超は年8.7%程度。利率は年度により変動)も加算されます。放置した期間が長いほどコストが膨らむ仕組みのため、気づいた時点で早めに動くのが最もペナルティが少ない選択です。

修正申告・期限後申告のいずれもe-Taxで提出可能です。確定申告の手順やe-Taxの操作方法は 確定申告はメルカリだといくらから必要?|最短で終わらせるやり方 で詳しくまとめています。

税理士に相談するタイミング

お尋ねや税務調査に自力で対応することも可能ですが、以下のケースでは早めに税理士に相談するのが安心です。

税理士に相談した方がいいケース
  • 無申告の期間が2年以上ある
  • 年間の利益額が大きい(目安として数十万円以上)
  • 取引記録がほとんど残っていない
  • お尋ねの内容が複雑で回答方法が分からない
  • 税務調査の事前通知を受けた

税理士は税務調査の立ち会いもできるため、調査の事前通知が来た段階で依頼するケースも多いとされています。初回相談が無料の税理士事務所もあるので、不安がある場合はまず相談だけでも検討してみてください。

税務署対応の出発点は「売上記録が揃っていること」

ここまで読んで分かるとおり、お尋ねへの回答も、税務調査への対応も、修正申告・期限後申告も、すべて「売上と経費の記録」が揃っていることが大前提です。記録がなければ回答できず、回答できなければ状況は悪化します。

「今から記録を揃えたい」ときの選択肢

メルカリの販売履歴はアプリやWebで確認できますが、公式のCSVエクスポート機能は提供されていません。過去の取引データを1件ずつ手作業で集計するのは、件数が多いほど膨大な時間がかかります。年間100件の取引があれば、販売価格・手数料・送料・仕入れ値を100回確認する作業が発生します。 フリマネージャー(フリマネ)は、Chrome拡張でメルカリの取引データを自動取得し、売上・手数料・送料・仕入れ値をまとめて記録できるフリマ出品者向けの管理ツールです。過去の取引も一括で取得できるため、お尋ねが届いてから記録を再構築する場合でも、手作業に比べて大幅に時間を短縮できます。

フリマネージャーが税務署対応で役立つポイント
  • メルカリの過去の取引データを一括で自動取得。手入力が不要になる
  • 売上・手数料・送料・仕入れ値から利益を自動計算
  • 年間の累計利益をダッシュボードに常時表示。20万円ラインに近づいているかリアルタイムで確認できる
  • プロ年額プラン以上ならレシート読み取り機能で経費・仕入れ値の記録もまとめて再構築できる
  • 弥生・freee・マネーフォワード形式のCSV出力に対応。会計ソフトへの反映も一括で完了する

「備えておく」コストと「後から揃える」コスト

この記録作業、後から揃えると何時間かかるか まず売上の再集計。取引履歴を1件ずつ開いて、販売価格・手数料・送料を転記し、スプレッドシートで数式を組む作業。年間100件なら10時間以上かかるケースも珍しくありません。 次に仕入れ値の再確認。レシートが残っていれば1枚ずつ照合、残っていなければ購入履歴やクレジットカード明細を遡る作業が加わります。仕入れ値の記録が見つからなければ経費として主張できず、結果的に所得が実際より大きく計算されるリスクもあります。 さらに会計ソフトへの入力。売上と経費を1件ずつ手入力して、数字が合っているか確認する追い込み作業。合計すると、「後から記録を揃える」だけで数日〜数十時間が消える計算です。 フリマネのプロ年額プラン(11,800円/年、月額換算983円)で日頃から取引を自動記録しておけば、お尋ねが届いても「データをCSV出力して回答書に転記するだけ」で対応が完結します。レシート読み取りで仕入れ値も撮影するだけで一括入力できるので、「経費にできたはずの仕入れを計上し忘れて、所得が余分に増える」リスクもなくなります。 確定申告の時期だけ使いたい場合は、1〜3月限定の確定申告プラン(3,980円/月)もあります。年間を通じて記録を仕組み化しておくなら、プロ年額プラン(月額換算983円)が最もコスパの良い選択です。 年間11,800円の記録コストと、無申告加算税15〜30%+延滞税のリスクを比較すれば、日頃の記録がどれだけ安い保険かは明白です。

税金がかかるかどうかの判断基準は メルカリの税金はいくらから? で、確定申告の具体的なやり方は 確定申告はメルカリだといくらから必要?|最短で終わらせるやり方 でまとめています。経費として差し引ける項目と帳簿のつけ方は メルカリ経費の帳簿のつけ方 も参考にしてください。

まとめ税務署が来ても、記録があれば焦らず対応できる

まとめ
  • メルカリの転売利益に対して税務署が動く「公式の金額基準」は存在しない
  • 少額でも無申告が続いていれば「お尋ね」の対象になりうる
  • 税務署はプラットフォームへの情報照会や口座の紐付けでメルカリの売上を把握できる手段を持っている
  • メルカリの本人確認(eKYC)が自動で税務署に通知されるわけではないが、個別照会は可能
  • 「お尋ね」は行政指導であり税務調査ではない。正確に回答すれば完了するケースも多い
  • お尋ねを無視すると任意調査に発展する可能性がある
  • 任意調査を正当な理由なく拒否すると罰則が科される可能性がある(国税通則法128条)
  • 税務署の指摘前に自分から申告すれば無申告加算税が5%に軽減されうる
  • 修正申告・期限後申告はe-Taxで提出できる
  • すべての対応の起点は「売上と経費の記録」が揃っていること

税務署から連絡が来ると焦りますが、対応の原則は「早く・正直に・記録をもとに」の3つです。お尋ねの段階で正確に回答すれば大事に至らないケースがほとんどとされています。まだ連絡が来ていない段階でも、売上と経費の記録を日頃から整えておけば、いつお尋ねが届いても落ち着いて対応できます。