給与で住民税を納めている会社員が、仕入れた品や作った品をメルカリで売るなら、所得が20万円以下でも、1割ほどの住民税がかかるのが一般的です。服や本など家の不用品だけを売る人は別で、その分は住民税でも所得に入りません。この20万円は売上ではなく売上から経費を引いた所得の額で、確定申告をしない会社員は、仕入れた古着の所得が5万円の年でも住民税の申告書を出し、増えるのは5,000円ほどです(国税庁 No.1900)。

「20万円以下なら要らない」「年末調整で済んだ」は、住民税では通らない

住民税の申告書は、メルカリで仕入れた品や作った品の所得があれば、20万円以下でも、年末調整を受けていても出します(地方税法 317条の2)。会社員で出さなくてよいのは、前年に給与以外の所得がなかった人(医療費控除などを受けるために申告する人を除く)と、所得割がかからない人のうち市区町村の条例で決めた人です。

下の表の1行目と2行目は、所得税の確定申告の20万円の線と、会社の年末調整を、住民税にもそのまま当てはめた思い込みです。知恵袋でメルカリと住民税の両方が出てくる質問を40件読むと、22件が「少額でも住民税の申告は要るか」を聞いていて、次に多い10件は年末調整や確定申告で済むかを聞いていました。

2026年10月13日に、Yahoo!知恵袋で「メルカリ 住民税」など5つの語で出た質問(投稿は2016年8月〜2026年9月)を、質問文だけで問いの種類に分けて数えています。

相談に出ていた思い込み住民税での答え
「20万円以下なら何も要らない」20万円は所得税の確定申告の線で、住民税の申告に金額の線は無い
「年末調整で済んでいる」年末調整は会社がする所得税の精算で、住民税の申告にはならない
「20万円はアプリの売上で見る。不用品の分も足す」比べるのは仕入れた品・作った品の所得で、家の不用品の売上は入れない(1個または1組30万円超の貴金属・書画・骨董などは除く)
「税金が出ないなら出さなくていい」出すかどうかは税額で決まらない。所得割がかからない人でも、出さなくてよいかは市区町村の条例で決まる

20万円は所得税の確定申告の線で、住民税の申告には金額の線が無い

1か所から給与を受け、給与収入が2,000万円以下で年末調整を受けた会社員は、給与以外の所得の合計が20万円以下なら、原則として所得税の確定申告は要りません。住民税の申告書を出さなくてよい条件は「前年中に給与所得以外の所得がなかった」ことで、ここに金額の線はありません。名前が似ていても、2つは別の税の別の手続きです。

医療費控除などで確定申告をする年は、20万円以下のメルカリの所得も確定申告書に入れます。所得が20万円を超えて確定申告が要る年の流れは、メルカリ確定申告はいくらから必要?にまとめています。

年末調整は所得税の精算で、住民税の申告にはならない

勤め先で年末調整を受けている人が、ネットで「年末調整か確定申告をしていれば住民税の申告は要らない」と読み、どちらが正しいのか決めきれずにいる相談がありました。年末調整は、会社が毎月の給料から引いた所得税と、1年で納めるべき所得税との差を精算する手続きです。会社が1月31日までに市区町村へ出す給与支払報告書に載るのはその会社が払った給与なので、メルカリの所得は載りません。

確定申告書を出した年は、原則として、その日に住民税の申告書も出したものとみなされ、別に出す物はありません。年末調整の書類にメルカリの分を書くかどうかは、年末調整の書類、メルカリの分はどこに書く?で記入例と一緒に見られます。

申告書に書くのも20万円と比べるのも、仕入れた品・作った品の分

20万円と比べるのは、アプリの売上の合計ではなく、仕入れた品や作った品の売上から経費を引いた所得です。その所得は、売上から売上原価(その年に売れた品の仕入れ代金や材料代)を引き、販売手数料と送料も経費として引いて出すのが一般的です。

同じ年に売った服や本など、家で使っていた物の売上は入れません。家で使っていた物を売った所得は、住民税でも所得に入らないからです。例外は、1個または1組で30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨董などで、これは非課税になりません。不用品が非課税になる範囲と所得税の側の話は、メルカリの税金はいくらから?にあります。

出す期限は3月15日、出し先は1月1日に住んでいた市区町村

確定申告をしない会社員は、住民税の申告書を3月15日までに、その年の1月1日に住んでいた市区町村へ出します。期限の日が土日祝なら翌日に延びますが、2026年の所得を出す2027年は3月15日が月曜なので延びません。

申告書の手に入れ方と出し方

申告書の手に入れ方は市区町村ごとに違い、横浜市(令和8年度分)は申告書と手引きを市のサイトから印刷できるようにしています(横浜市 住民税の申告)。出し方も、横浜市は郵送と、1月1日時点の住所地の区役所の窓口(平日8時45分〜17時)の両方で受け付け、窓口の混雑を避けるため郵送を求めています。電子申告(eLTAX)も、横浜市は令和8年度分を2026年1月5日から受け付けました。

郵送で出すときは本人確認の書類が要り、広島市(令和8年度分)の書き方は、本人確認書類の写しを同封するよう求めています。期限の近い3月に窓口へ行くより、郵送で出すほうをすすめます。窓口の混雑を避けるため郵送を求めている市があり、平日に休みを取らずに済むからです。

様式も出し方も市区町村で違うので、住んでいる市区町村のサイトで「住民税 申告」のページを開き、申告書の入手先と出し先を見るのが一般的です。

書く欄は、収入金額と所得金額、雑所得の「業務」

広島市(令和8年度分)の様式では、雑所得の収入金額(売上)を1面の「収入金額等」の欄に、所得を「所得金額」の欄に書きます。内訳を書くのは、2面の「9 雑所得(公的年金等以外)に関する事項」の欄です。

同じ書き方では、雑所得を「公的年金等」「業務」「その他」に分けて計算し、副業の収入のうち営利を目的とした継続的なものは「業務」に入ります。業務の所得金額は、収入金額(売上)の合計から必要経費を引いた額で、必要経費には売上原価などが入り、生活費は入りません。欄の名前と場所は市区町村の様式で違うので、自分の市区町村の手引きで雑所得の「業務」の行を探して書いてください。

たとえば仕入れた古着の売上が1年で12万円なら、売れた品の仕入れ代4万円・販売手数料1.2万円(売上の10%)・送料1.8万円の計7万円を引いて、業務の所得金額は5万円です。

住民税の申告書、メルカリの分の記入例

給与以外の所得を書く所

探して書く行営利を目的に続ける副業は「業務」雑所得の「業務」の行
収入金額(売上)服や本など不用品は入れない(記入する欄)120,000円
必要経費売れた品の仕入れ代・販売手数料・送料70,000円
所得金額収入金額−必要経費(古着の例)(記入する欄)50,000円
給与以外の所得の住民税メルカリの分を天引きに足さない(記入する欄)自分で納める

様式を簡略化したイメージ

※ 欄の名前と場所は市区町村の様式で違う

持っていく物は、売上と経費が分かる書類

封を開けていないグッズを売って数万円の所得が出た会社員が、申告のときにレシート・取引の画面・自分でまとめた表のどれを用意すればよいのか分からないと相談していました。横浜市では、給与以外の「その他の所得」がある人の申告に、収入額が分かる物と、必要経費が分かる物を用意します。

仕入れのレシートが無い分の扱いは、メルカリ確定申告でレシートがない経費の対処法にまとめています。

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去年の分を出していなかったら、今から出して通知を待つ

去年の分を出していなかったら、期限の3月15日を過ぎていても、今年の1月1日に住んでいた市区町村へ今から出してください。横浜市(令和8年度分の案内)も、期限を過ぎても申告はできるとしています(横浜市 申告のよくある質問)。今年の1月1日より後に引っ越した人の出し先は、引っ越す前の市区町村です。

やる順は、市区町村の申告のページを開く、去年1年分の仕入れた品の所得を出す、申告書を出す、届いた通知で納める、です。去年(2025年)の所得の分は、住民税の申告書では「令和8年度分」と呼ばれます。

期限を過ぎた去年の分を今から出す4ステップ
  1. 市区町村の申告のページを開く今年の1月1日に住んでいた市区町村
  2. 去年1年分の所得を出す服や本など不用品は入れない
  3. 申告書を出す自分で納める形にできるか先に聞く
  4. 届いた通知で納める通知に書かれた納期限までに納める

※ 去年(2025年)の所得の分は、申告書では「令和8年度分」

市から連絡が来るのを待つより、気づいた今のうちに出すほうをすすめます。正当な理由なく出さないままの人には、市町村が条例で10万円以下の過料を定めることができるからです。

知恵袋で「出していなかった」と書いた4件が聞いていたこと

上で数えた知恵袋の質問のうち、出さなかったらどうなるかを聞いた質問は5件でした。これとは別に、質問文に「出していなかった」「忘れていた」と書いていた人を数えると4件です。その4件でいちばん多かったのは、申告や納付が要るのかの確認です(1件で複数を聞いた人もいます)。

聞いていたこと件数
申告や納付が要るのかの確認3件
罰則や延滞金があるのか2件
過去の分が見つかるか1件
どこでどう出すか1件
ほかの人はみな払っているのか1件

期限の後に出すと何が起きるか

横浜市は、住民税の税額を毎年5月〜6月に決めていて、その後に出た申告は、中身に応じて税額の変更通知を送るとしています。増えた分の納期限は市区町村が決めるので、届いた通知で日付を見ます。

延滞金は納期限の翌日から数えるので、届いた通知の納期限までに納めれば、延滞金はかからないのが一般的です。

出さないままのとき

申告が要るのに出さないままだと、市町村が調べて課税することがあり、横浜市は、課税のための調査をして追加で課税する場合があると案内しています。市町村の職員は本人に質問して帳簿などを見せるよう求められ、市町村長は税務署にある所得税の申告書を見ることもできます。

さかのぼって税額を増やせるのは法定納期限の翌日から3年までで、偽りや不正で税を免れた場合は7年です。所得税の側で税務署から連絡が来たときの流れは、メルカリで税務署は本当に来る?にあります。

住民税は、メルカリの所得の1割(10%)ほど増える

給与で住民税を納めている会社員なら、メルカリの所得が増えた分の10%ほど住民税が増えるのが一般的です(総務省 個人住民税)。所得割の税率は所得の額で変わらない一律の標準10%で、実際の税率は都道府県と市町村が決めます。

所得の額ごとに並べると、増えるのは次のとおりです。

メルカリの所得(1年)増える所得割(標準10%)均等割増える住民税の目安
5万円5,000円増えない約5,000円
10万円1万円増えない約1万円
20万円2万円増えない約2万円

表の額は、住宅ローン控除などの税額控除を引く前の目安です。

均等割は給与の分ですでにかかっていて増えない

住民税には、所得に応じてかかる所得割と、所得にかかわらず定額でかかる均等割があります。給与だけで均等割がかかっている会社員は、メルカリの所得が増えても均等割の額は変わりません。均等割の標準額は4,000円で、2024年度からはこれと一緒に森林環境税1,000円も集められていますが、どちらも定額です。

45万円の線は、給与と合わせた所得の合計で見る

所得割がかからない45万円の線は、扶養家族のいない人の、給与と合わせた所得の合計で見ます。給与収入だけで数えると、2025年の所得の分(令和8年度分)は110万円、2026年の所得の分(令和9年度分)は119万円が同じ線です。

メルカリの所得5万円だけを45万円と比べるのは誤りで、扶養家族がいなくて2026年の給与収入が119万円を超える会社員なら、メルカリの分にも所得割がかかるのが一般的です。48万円を線として書いた記事もありますが、48万円は所得税の基礎控除の令和6年分までの額です。住民税の基礎控除は最高43万円で、令和8年度の改正でも変わっていません。

会社に知られるかは、申告書で自分で納める形を選ぶかで変わる

住民税の申告書で、給与以外の所得の分を自分で納める形を選べば、メルカリの分は給料からの天引きに足されません。希望を書く欄は、住んでいる市区町村の申告書の様式の中で探します。

足されないのは、会社に届く税額の分です。本人用の通知は会社を通って配られ、そこには給与以外の所得の金額も書かれるので、自分で納める形にしても、それで会社に知られないとは言えません(通知を目隠しするかは市区町村ごとです)。仕入れた品も作った品も売っていない年なら、家の服や本など(1個または1組で30万円を超える貴金属などを除く)を売った分は住民税の所得に入らず、本人用の通知の所得欄にも出ません。

会社にメルカリのことを言っていないなら、納める手間が増えても、自分で納める形を選ぶほうをすすめます。選ばないと、市町村の条例によっては、メルカリの分の住民税が会社に届く税額に足されるからです。

そもそもメルカリで売ることが勤め先の副業禁止に当たるかは、メルカリ副業は会社にバレるかの記事で、会社が禁止・制限できる4つの場合から確かめられます。

比べる所選ばない自分で納める形を選ぶ
メルカリの分の納め方給料からの天引き(条例による)納税通知書で自分で納める
会社に届く税額(5月31日までに通知)× 足されることがある○ 足されない
納める月6月から翌年5月の毎月の給料6月・8月・10月・翌年1月
納める手間○ 会社が給料から引く△ 手間が増える

去年の分を今から出すときは、選べるかを市区町村に聞いてから出す。

選ばないと、給料からの天引きに足される

副業が認められていない会社員が、申告で給料から引かれる額が変わり、会社に理由を聞かれないかを心配していた相談がありました。自分で納める形を選ばないと、市町村は条例で、メルカリの分の所得割を給料からの天引き(特別徴収)に足せます。

天引きする年税額は、市町村から会社と、会社を通して本人に、5月31日までに通知されます。会社はその12分の1ずつを、6月から翌年5月まで毎月の給料から引きます。

自分で納める月と納め方

自分で納める形を選ぶと、メルカリの分は、市区町村から届く納税通知書で、6月・8月・10月・翌年1月のうち条例で決まる日に分けて納めます。納税通知書は遅くとも納期限の10日前までに届き、納期限を過ぎると、その翌日から延滞金がかかります。

所得が20万円を超えて確定申告書を出す年は、第二表の「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」を選びます(国税庁 確定申告の手引き)。

去年の分を今から出すときも、自分で納める形を選べるか

税額が決まった後に、メルカリの分が給料からの天引きに足されることになると、市町村は税額を変えて、会社にも変更の通知を送ります。去年の分は、申告書を出す前に、今年の1月1日に住んでいた市区町村の住民税の担当に、給与以外の所得の分を自分で納める形にできるかを聞いてから出してください。

申告書に書く所得をアプリの取引から拾わずに出すなら、フリマネージャー

個人のメルカリには、売上や取引の履歴を書き出す公式の機能が無いので、1年分の所得を出すには取引の画面から1件ずつ拾うことになります。件数が少ないうちはそれで回せますが、仕入れた品が増えるほど、写す時間と、写し間違いや漏れが増えます。

フリマネージャーなら、メルカリの売上はChrome拡張が自動で記録し、仕入れや送料などの経費は手入力で一覧に残せます。スタンダードと確定申告プランでは、売上から経費を引いた額と経費の年間集計が出せるので、申告書の収入金額と必要経費の欄に写す数字がそろいます。

よくある質問よくいただくご質問を、分かりやすくまとめました。

扶養に入っていても、メルカリで仕入れて売った分の住民税の申告は要る?
扶養に入っているかでは決まらず、仕入れて売った分の所得があれば、住民税の申告書を出す側です。所得割がかからない人でも、出さなくてよいかどうかは住んでいる市区町村の条例で決まります。

まとめ

まとめ
  • 仕入れた品・作った品の所得は、20万円以下でも住民税の申告書に書く。年末調整では済まない
  • 20万円と比べるのは売上ではなく所得で、家の不用品の売上は入れない(1個または1組30万円超の貴金属・書画・骨董などは除く)
  • 期限は3月15日、出し先は1月1日に住んでいた市区町村。去年の分も今から出す。横浜市は令和8年度分の案内で、期限の後も申告できるとしている
  • 給与で住民税を納めている会社員なら、増える住民税は所得の10%ほどで、均等割は増えないのが一般的
  • 申告書で自分で納める形を選べば、メルカリの分は給料の天引きに足されない

今年の1月1日に住んでいた市区町村のサイトで「住民税 申告」のページを今日開いて、去年の分の申告書を手に入れてください。

制度は国税庁・総務省などの公的な資料(本文のリンク)で確認しています。去年より前の年の分も出していない場合は、住んでいる市区町村の住民税の担当か税理士に確認してください。

更新内容(2026-10-17): 自分で納める形を選んでも、本人用の通知で会社に知られることがある旨を足した。