給与430万円・所得30万円なら所得税はいくら?1万5千円ほど増える

会社員の給与が430万円で、メルカリの所得が30万円なら、増える所得税は復興特別所得税を含めて15,315円、1万5千円ほどです。

仕入れて売った分の所得は、総収入金額(売上)から必要経費を引いた額です(国税庁 No.1500)。この所得を給料の所得と合計し、所得控除を引いた課税所得に税率を掛けて、所得税を出します。

売上100万円から所得30万円へ

売上100万円から、売れた物の仕入れ代金45万円・販売手数料10万円・送料15万円を引いた30万円が、メルカリの所得です。仕入れて売っている人なら、販売手数料と送料も必要経費に入れるのが一般的です。

計算例

売上(販売価格の合計)
1,000,000円
売れた物の仕入れ代金
−450,000円
販売手数料(販売価格の10%)
−100,000円
送料
−150,000円
結果(メルカリの所得)
300,000円

メルカリ便で送った取引の売上金の残高は、販売手数料とメルカリ便の送料が引かれた後の額です。残高を売上として数えてから手数料と送料を引くと、同じ物を2回引くことになり、所得が少なく出ます。

45万円は、その年に仕入れた代金の全部ではありません。売れた物の分だけで、売れ残った物の代金は入れません。

給料の課税所得に30万円を足しても5%の段のまま

給料だけの課税所得が130万円なら、メルカリの所得30万円を足した160万円も、5%の段に収まります。

計算例

給与所得(430万円÷4×3.2−44万円)
3,000,000円
社会保険料控除(給料から引かれた分。例)
660,000円
基礎控除(合計所得金額489万円以下)
1,040,000円
給料だけの課税所得
1,300,000円
メルカリの所得を足した課税所得
1,600,000円
結果(増える所得税。30万円×5%)
15,000円

この例の合計所得金額は、給与所得300万円とメルカリの所得30万円で330万円なので、令和8年分の基礎控除は489万円以下の人の額の104万円です。給料から引かれている健康保険料や厚生年金保険料は、社会保険料控除として所得から引きます。課税所得は、引いた残りの1,000円未満を切り捨てた額です。

復興特別所得税の2.1%を足して1万5千円ほど

令和8年分は、所得税と一緒に復興特別所得税(原則として基準所得税額の2.1%)を申告・納付するので、増える15,000円に315円が乗ります。

計算例

増える所得税
15,000円
復興特別所得税(2.1%。1円未満切り捨て)
315円
合計(増える額)
15,315円

所得税の率だけで見積もると、この2.1%の分が抜けます。所得に段の税率を掛けてから1.021倍すると、復興特別所得税まで入った額になります。

令和9年1月1日以後に生じる所得からは、復興特別所得税の税率が1.1%に下がり、防衛特別所得税が加わります。

自分の数字で出すときも、順は同じです。1年の売上から経費を引いて所得を出し、源泉徴収票で今の段を見て、早見表で増える額を読みます。その額に住民税で増える分を足すと、所得税と住民税を合わせて増える額になります。

自分の数字で、所得税と住民税の増えを出す順
  1. 1年の売上から経費を引く売れた物の仕入れ代金・手数料・送料
  2. 源泉徴収票で今の段を見る2つの欄の差=給料だけの課税所得
  3. 早見表で増える額を読む線をまたぐ分は上の段の税率
  4. 住民税で増える分を足す所得税の納付は翌年3月15日まで

会社員は所得の5%から。自分の段は、源泉徴収票の2つの欄の差で決まる

会社員のメルカリの所得には、給料の課税所得が今いる段の税率(線をまたぐ分は上の段)が掛かり、いちばん下の段は5%です(国税庁 No.2260)。

源泉徴収票の2つの欄の差で今の段を見る

源泉徴収票(給与430万円の例)

給与所得控除後の金額給与から給与所得控除を引いた額(記入する欄)3,000,000円
所得控除の額の合計額社会保険料控除・基礎控除などの合計(記入する欄)1,700,000円
差=給料だけの課税所得1,000円未満は切り捨て1,300,000円

様式を簡略化したイメージ

※ 差が1,949,000円までなら5%の段(数字は給与430万円の例)

税率は、分離課税の所得などを除いて、課税所得に応じた5%から45%までの7段階です。メルカリの所得は分離して計算する所得に当たらないので、給料と合計した課税所得の段で決まります。

「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引く

源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた差が、給料だけの課税所得です(1,000円未満は切り捨て)。

「給与所得控除後の金額」には、給与から給与所得控除を引いた額が書かれ(所得金額調整控除があれば、それも引いた後の額)、「所得控除の額の合計額」には、社会保険料控除や基礎控除などの合計が書かれます。どちらの欄も、年末調整をした人の票にだけ書かれます。

給与430万円の例なら、「給与所得控除後の金額」が3,000,000円、「所得控除の額の合計額」が1,700,000円で、差の1,300,000円が給料だけの課税所得です。医療費控除と寄附金控除はこの欄に入らないので、確定申告でそれを足す人は、その分だけ課税所得が下がります。

令和8年分の票が届くのは翌年1月末ごろなので、年内に段を見るときは、手元の令和7年分の票で見ます。

令和8年分は基礎控除が増え、給与収入220万円以下なら給与所得控除も増えました。合計所得金額が489万円以下で、給料とほかの控除が去年と同じなら、手元の令和7年分の票で出した差は、令和8年分の課税所得より大きく出ます。メルカリの所得を基礎控除申告書の見積額に足す書き方は、年末調整の書類にメルカリの分を書く記事で記入例と一緒に書いています。

195万円・330万円・695万円の線

課税所得が195万円に届くまでは5%、330万円に届くまでは10%、695万円に届くまでは20%で、その上は23%からです。

給料だけの課税所得で見る今の段
  • 1,949,000円までなら → 5%
  • 1,950,000円〜3,299,000円なら → 10%
  • 3,300,000円〜6,949,000円なら → 20%
  • 6,950,000円からなら → 23%から(下の早見表の外)

給与430万円の例の130万円は5%の段で、メルカリの所得が64万9千円までなら、足しても5%のままです。

線をまたぐ分は上の段の税率

メルカリの所得を足して線を越えるときは、線の上に出た分にだけ上の段の税率が掛かります。給料だけの課税所得が180万円で、メルカリの所得が30万円なら、195万円までの15万円に5%、超えた15万円に10%です。

計算例

195万円までの分(5%)
150,000円×5%=7,500円
195万円を超えた分(10%)
150,000円×10%=15,000円
合計(増える所得税)
22,500円

180万円の例で増える額は、復興特別所得税を足して2万3千円ほどです。

所得30万円・50万円・100万円の早見表

給料だけの課税所得にメルカリの所得を足しても線をまたがないなら、増える所得税(復興特別所得税を含む)は次の表で読めます。

メルカリの所得(売上−経費)5%の段(円)10%の段(円)20%の段(円)
30万円15,315(最初の計算例)30,63061,260
50万円25,52551,050102,100
100万円51,050102,100204,200

令和8年分の税率と、復興特別所得税の2.1%で計算した額です。

表に無い所得は、メルカリの所得に段の税率を掛けてから1.021を掛けると出ます。たとえば所得40万円で10%の段なら、40万円×10%×1.021で40,840円です。

売上から引く物と、最初から入れない物

仕入れて売った物は、売上から経費を引いて所得に入れ、自分や家族が生活に使っていた古着や家具を売った分は、最初から所得に入れません(国税庁 No.1906)。

ただし、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうなどは、生活に使っていた物でも非課税になりません。

売った物所得税への入り方引ける物売上100万円なら(例)
自分や家族が使った物(古着・家具など)入らない(非課税)なし(売って損が出ても無かったものとみなす)0円(所得に入れない)
仕入れて売った物雑所得か事業所得(給料と合計)売れた物の仕入れ代金・販売手数料・送料(必要経費にするのが一般的)30万円(最初の計算例)
貴金属・宝石・書画・骨とうなど(1個・1組30万円超)譲渡所得(給料と合計)買った値段・売るための費用・特別控除50万円5万円(下の宝石の例)

国税庁 No.1906・No.3105・No.3152 で2026年10月に確かめた区分です。

「100万円売り上げたら所得税はいくら」は、売った物ごとに表の右の列のように所得に直してから、早見表に当てて出します。

売れ残った仕入れ品は、売れた年に引く

経費に入る仕入れ代金はその年に売れた物の分で、年末に売れ残った物の代金は期末棚卸高として翌年に繰り越します。

売れた物の仕入れ代金(売上原価)は、年の初めの在庫にその年の仕入れを足し、年末の在庫を引いて出します。最初の例の45万円は、その年に55万円を仕入れ、年末に10万円分が売れ残ったとして出した額です。

計算例

年の初めの在庫(期首棚卸高)
0円
その年の仕入れ(仕入高)
550,000円
年末の在庫(期末棚卸高)
−100,000円
結果(売れた物の仕入れ代金)
450,000円

業務に係る雑所得で現金主義の特例を選んだ人は、その年に払った仕入れ代金が、その年の経費になります。在庫の数え方はメルカリの仕入れ費用と棚卸しの記事で書いています。

趣味で集めたグッズは、物の種類だけでは決まらない

趣味で集めたトレーディングカードやフィギュア、アイドルグッズを売った所得が非課税になるかは、国税庁の説明にも通達にも名指しの例が無く、物の種類だけでは決まりません。

公表された裁決の1つは、その物の用途や使い方に加えて、売ったときの状況も見て決めるとしています。不用品を売ったときの税金と20万円の線は、メルカリの税金の記事にまとめています。

1点30万円を超える品は50万円を引いてから足す

1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうなどを、自分の物として売った所得は譲渡所得で、特別控除の50万円を引いた残りを給料と合わせます。

金額は、売った値段から買った値段など(取得費)と売るための費用を引き、そこから50万円を引いて出します(売った益が50万円以下ならその額まで)。たとえば4年前に35万円で買った宝石を100万円で売り、販売手数料が10万円なら、残りは5万円です。

計算例

売った値段
1,000,000円
買った値段(取得費)
−350,000円
販売手数料(売るための費用)
−100,000円
特別控除
−500,000円
結果(譲渡所得)
50,000円

持っていた期間が5年以内なら全額、5年を超えていれば半分を、給料などの所得に合わせます。営利を目的に続けて売っているなら譲渡所得にはならず、雑所得か事業所得です。

所得20万円超なら翌年3月15日までに納める。住民税と合わせて増える額

給与以外の所得が20万円を超えた年は、メルカリの分で増えた所得税を、翌年3月15日までに確定申告をして自分で納めます(国税庁 No.2020)。

期限は原則としてその年の翌年3月15日で、令和8年分なら令和9年3月15日(月)です。申告書を出しても納付書は送られてこないので、振替納税やコンビニ、スマホアプリなどから選んで納めます。

住民税で増える分

所得税と住民税を合わせて増える額は、給与430万円・所得30万円の例なら4万5千円ほどです。

給与だけでもう均等割がかかっている会社員なら、メルカリの所得で増えるのは所得割で、増えた課税所得に標準で10%がかかるのが一般的です。実際の税率は、住んでいる都道府県と市町村が決めます。

計算例

所得税の増え(復興特別所得税を含む)
15,315円
住民税の増え(増えた課税所得30万円×10%)
30,000円
合計(所得税と住民税で増える額)
45,315円

住民税の額の出し方と申告が要るかどうかは、メルカリの住民税の記事で計算しています。

申告書では給料の源泉徴収税額を引いた差額を納める

確定申告では、給料とメルカリの所得を合計して税額を出し、給料から引かれた源泉徴収税額を差し引いた差額を納めます。

年末調整が済んでいれば、票の「源泉徴収税額」は年末調整をした後の給料の分の税額です。確定申告で引く控除が年末調整と同じなら、差額はメルカリの所得で増えた分になります。最初の例なら1万5千円ほどです。

所得税の確定申告書を出すと、原則として、その日に住民税の申告書も出したものとみなされます。申告書の作り方はメルカリの確定申告のやり方で順に書いています。

所得20万円以下なら所得税の申告は要らない

給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収と年末調整をされている会社員(給与2,000万円以下)なら、給与以外の所得が年20万円以下の年は、所得税の確定申告は原則として要りません。

ただし、医療費控除などで確定申告をする年は、20万円以下の所得も合わせて申告します。住民税の申告は、所得税の申告が要らない年も別にします。

「いくら売り上げたら所得税がかかるか」は売上では決まりません。年末調整が済んでいる会社員(給与1か所)なら、売上から経費を引いた所得が20万円を超えた年は、確定申告をして納めます。確定申告をすれば税金が戻る人は、この決まりから外れます。

給与の無い人は、所得が104万円を超えた分から5%

給与が無く所得控除が基礎控除だけの人は、令和8年分なら、所得が基礎控除の104万円を超えた分に5%から掛かります(国税庁 No.1199)。

104万円は合計所得金額489万円以下の人の額で、489万円超655万円以下なら67万円、その上はさらに段で下がります。所得がこの線を超えて税額が出る年は、確定申告が要ります。20万円の線は年末調整を受けた会社員の線なので、給与の無い人には当てはまりません。

学生・無職で仕入れて売っている場合

給与の無い学生や無職の人が仕入れて売り、所得が150万円なら、104万円を引いた46万円に5%が掛かり、納める額は23,400円です。

計算例

メルカリの所得
1,500,000円
基礎控除(合計所得金額489万円以下)
−1,040,000円
課税所得
460,000円
所得税(5%)
23,000円
復興特別所得税(2.1%)
483円
合計(納める額。100円未満切り捨て)
23,400円

課税所得が195万円に届くまでは5%なので、この形なら所得299万円ほどまでは5%の段です。

国保・年金を払っていれば0円の線は上がる

自分で払った国民健康保険料や国民年金保険料は社会保険料控除として引けるので、税額が0円になる線は、104万円にその額を足した所まで上がります。

たとえば1年に払った国民健康保険料と国民年金保険料が合わせて30万円なら、所得134万円までは課税所得が0円です。親が払っている分は、親と生計を一にしていれば、払った親の社会保険料控除に入ります。

「48万円」は令和6年分以前の額

「所得48万円までは所得税がかからない」という線は令和6年分以前の基礎控除の額で、令和7年分と令和8年分は額が変わっています。

年分基礎控除(給与の無い人の線)
令和6年分以前48万円(合計所得金額2,400万円以下)
令和7年分95万円(合計所得金額132万円以下)
令和8年分104万円(合計所得金額489万円以下)

国税庁 No.1199(基礎控除)で2026年10月に確かめた額です。

令和7年分は、合計所得金額が132万円を超えると88万円、336万円を超えると68万円のように下がります。

よくある質問よくいただくご質問を、分かりやすくまとめました。

前の年の分を申告していなかったら、今から納めるといくらになる?
前の年の分も、税務署の決定があるまでは期限後申告ができ、本来の所得税に無申告加算税と延滞税を足して納めます。無申告加算税は、税務署から調査の事前通知が来る前に自分から出せば5%で、通知や調査の後に出すと率が上がります。延滞税は、期限後申告では申告書を出した日が割合を分ける納期限なので、出した日に納めれば、どの日数も低い方の割合(令和8年中は年2.8%、令和4年〜7年は年2.4%)で数えます。

税務署から連絡が来た後の流れは、メルカリで税務署が来たときの記事で順に書いています。

まとめ

まとめ
  • メルカリの所得税は、所得(売上−売れた物の仕入れ代金・販売手数料・送料)に給料の段の税率(5%から。線をまたぐ分は上の段)を掛け、1.021倍した分だけ増える(復興特別所得税の2.1%を含む)
  • 給与430万円・所得30万円・5%の段なら、増えるのは15,315円
  • 自分の段は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた差で見る
  • 自分や家族が使っていた古着や家具の売上は所得に入れない(1個・1組30万円超の貴金属などを除く)
  • 確定申告が要る年は、所得税を翌年3月15日までに自分で納める。増える税は、所得税の増えに住民税の増え(増えた課税所得に標準で10%)を足した額

確定申告が要る年は、令和9年3月15日(月)までに令和8年分を申告して、メルカリの分の所得税を自分で納めます。

制度は国税庁・総務省などの公的な資料(本文のリンク)で確認しています。趣味で集めた物を売っていて、生活に使っていた物に当たるか迷う場合は、税務署か税理士に確認してください。