メルカリの雑所得は、販売履歴を家で使っていた服や本と仕入れた物・作った物に分け、非課税の家の物を外して出します(国税庁 No.1906)。雑所得の金額は売上の合計ではなく、仕入れた物・作った物の売上から、仕入れ値や材料費などの必要経費を引いた額です。勤め先1か所で年末調整を受けている会社員は、給与以外の所得がこれを含めて年20万円を超えるかで確定申告の要否が決まり、超えたら申告書の雑所得の欄に書きます。
最初に、 販売履歴を 「家の物」と 「仕入れた物・ 作った物」に 分ける (早見表)
家で使っていた服・家具・本を売った分は非課税なので販売履歴から外し、雑所得の計算には仕入れた物・作った物を売った分だけを残してください(国税庁 No.3105)。同じアカウントで両方を売っていても、売った物ごとに分けて考えるのが一般的です。
当ては
- 売るために
買った物仕入れた古着 など - 同じ種類の
品を 買っては 売る物続けて売る 所得は 事業所得か雑 所得 - 自分で
作った物作った作品を 続けて売る分 - △ 着ないまま
売った 新品の 服など買値と 販売価格を 並べてから 分ける
迷ったら、売るために買った物、同じ種類の品を繰り返し買っては売っている物、自分で作った物は、家の物の側に入れないでください。相当の期間にわたって続けて売っている所得は、事業所得か雑所得として課税されます。自分で作った作品を続けて売る所得も、事業所得か雑所得になるのが一般的です。
例外は、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨董などで、家で使っていた物でも非課税になりません。行き先は次の早見表のとおりです。
| 分けた品 | 所得の区分 | 会社員の20万円の計算 | 申告書の欄 |
|---|---|---|---|
| 家で使っていた服・家具・本(個人事業主が家で使っていた物も同じ) | 非課税 | 入らない | 書かない(確定申告は不要) |
| 1個または1組で30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨董など | 譲渡所得(総合課税) | 入る(特別控除を引いた後の額で数えるのが一般的) | 総合譲渡の欄(譲渡所得の内訳書を付ける) |
| 仕入れた物・自分で作った物を続けて売った分 | 雑所得(帳簿を保存していれば原則は事業所得。帳簿が無くても、売上300万円超で事業と認められれば事業所得) | 入る(売上から必要経費を引いた額) | 雑所得の欄(帳簿が無ければ「その他」、帳簿を保存して雑所得なら「業務」に入れるのが一般的) |
区分と非課税の範囲は国税庁 No.1906・No.3105、申告書の欄は令和7年分の確定申告の手引きと所得税基本通達35-2の注による(2026年10月時点)。
雑所得は、公的年金等・業務に係る雑所得・その他の雑所得に分けて計算します。このうち業務に係る雑所得は、副業の収入のうち営利を目的とした継続的なものを指します。国税庁 No.1906 も、フリマアプリの個人取引による所得を、会社員の副収入のうち一般的に雑所得に当たる例に挙げています。
一時所得は、資産を売った対価の性質を持たない一時の所得に限られます。メルカリで物を売った代金は売った物の対価なので、一時所得には当たらないのが一般的です。
どちらか迷う品 (着ないまま 売った新品の服・ 手に入りにくい スニーカー)
着ないまま売った新品の服も、手に入りにくいスニーカーも、買値より安く売ったのなら、家の物と仕入れた物のどちらの側に入れても所得は出ません。
知恵袋には、新品の服を買っては袖を通さずに買値より安く手放し、次の服を買う元手にしていて、年の売上が200万円ほどになったという相談があります。税理士ドットコムにも、手に入りにくいスニーカーを6万6千円で売ったものの、買値より高くは売っていない会社員の相談があります。
家の物の側に入れれば非課税で、売って出た損も無かったものとして扱います。仕入れた物の側に入れても、売上から仕入れ値と販売手数料・送料を引くので、買値より安く売った品はマイナスになります。そのマイナスは、給与などとは差し引きできません。
分け方で雑所得の金額が変わるのは、販売手数料と送料を引いても買値を超えて売れた品があるときと、その年に仕入れて売ったほかの品があるときです。雑所得は「業務」でも「その他」でも1年分の売上から必要経費を引いて出すので、買値より安く売った品を仕入れた物の側に入れると、そのマイナスがほかの品の所得から引かれます。家の物の側に入れれば、その損は無かったものとみなされ、ほかの品の所得からは引けません。
迷う品は、買値と販売価格を1件ずつ並べて書き出してから分けてください。書き出しておけば、分け方で雑所得の金額が変わる品がどれかが、1件ずつ分かるからです。
1点30万円を 超える貴金属・ 書画などの 所得の 出し方 (譲渡所得)
1個または1組で30万円を超える貴金属や書画などを売ったときの譲渡所得は、売った額から買った額と売るための費用を引き、さらに特別控除(最高50万円)を引いて出します。買った額には購入の手数料なども含め、使ううちに価値が減る物は、その分を差し引いた額にします。
持っていた期間が5年以内なら短期、5年を超えれば長期に分け、計算は『譲渡所得の内訳書(確定申告書付表)【総合譲渡用】』で行って確定申告書と一緒に出します。特別控除は短期と長期の譲渡益の合計に対して50万円までで、譲渡益が50万円以下ならその額までです。
仕入れて続けて売っている物は、1点30万円を超えていても譲渡所得に入らず、早見表の3行目の側です。所得税法が、営利を目的として続けて行う資産の譲渡による所得を、譲渡所得から外しているためです。
書き出すのは 販売価格・ 仕入れ値・ 手数料・ 送料の 4つ
仕入れた物を売った分は、1件ごとに販売価格・仕入れ値・販売手数料・送料の4つを書き出し、販売価格の合計から残りを引いて雑所得を出してください(国税庁 No.1500)。雑所得の金額は売上から必要経費を引いた額で、販売手数料と送料を必要経費に入れるのは、所得税法の決まりからの当てはめです。
たとえば、古着屋で800円で仕入れたシャツを2,600円で売った1件は、次のようになります。
計算例
- 販売価格
- 2,600円
- 販売手数料(10%)
- 260円
- 送料(出品者負担)
- 380円
- 仕入れ値
- 800円
- 利益
- 1,160円
この1件の利益を仕入れた物の分だけ1年分足し、梱包材などほかの必要経費を引いた額が、雑所得の金額です。たとえば1年分で売上が72万円、売れた物の仕入れ値と販売手数料・送料・梱包材の合計が45万円なら、雑所得の金額は27万円になります。ここで出した雑所得の金額は合計所得金額にも入るので、年末調整の書類で給与以外の所得を見積もるときも、この額を使います。
販売価格は 手数料と 送料を 引く前の 額で 書く
売上に書くのは販売手数料と送料を引く前の販売価格にし、販売手数料と送料は必要経費の側に書くのが一般的です。国税庁がフリマの手数料や送料の扱いを名指しした説明は無く、所得税法の総収入金額と必要経費の決まりからの当てはめです。
税理士ドットコムには、メルカリとヤフーフリマで売っていて、2つのアプリの明細の項目名が違うため、どの金額を売上として足せばよいか迷っている相談があります。どちらのアプリでも、手数料と送料を引く前の販売価格を売上に、引かれた手数料と送料を必要経費に書けば、2つの数字の形がそろいます。
メルカリの売上履歴に出る「販売利益」は、販売価格から販売手数料と送料を引いた1件の額です。売れた物の仕入れ値はまだ引かれていないので、販売利益の合計は、そのままでは所得になりません。
年末に 売れ残った物の 仕入れは 今年引かない
年末に売れ残った物の仕入れ値は、今年の必要経費に入れず、売れた年に引きます。12月31日に残っている在庫の仕入れ値を数え、今年の仕入高から引いた額が、今年引ける売上原価です(2年目からは、前の年から持ち越した在庫の分を足します)。
例外は、帳簿を保存して雑所得の「業務」で申告する人が、前々年の収入金額(売上)が300万円以下のときに使える現金主義の特例を選んだ場合です。確定申告書にこの特例を受ける旨を書くと、その年に払った仕入れ代金は、売れ残った分もその年の必要経費になります。
来年から帳簿を付けると決めたなら、「業務」で申告する年も現金主義の特例は使わずに、今年から在庫を数えるやり方にしてください。帳簿を付けて事業所得にしたあとも、同じ数え方を続けられるからです。
記録の 無い梱包材や 通信の 支払い
梱包材の代金は、収支内訳書の書き方が荷造運賃の例に挙げる包装材料費に当たり、売るために使った分は必要経費に入ります。スマホの通信料のように私用と兼ねる支払いは、取引の記録などで、売るために要った部分をはっきり分けられる金額だけが必要経費になります。
知恵袋には、仕入れて売った所得が20万円を超えたので申告するものの、梱包材や通信の小さな支払いを記録しておらず思い出せない、という相談があります。思い出せない支払いは、カードの明細や通販の注文履歴など、日付と金額が残っている物から拾ってください。
必要経費になるのは、売れた物の仕入れ値と、販売や発送にかかった費用などの業務上の費用で、原則としてその年に支払いが決まった額です。雑所得には事業所得のような帳簿を付ける決まりが無く、書類の保存が要るのも、「業務」に入る人で前々年の収入金額(売上)が300万円を超えるときだけです。それでも、事業所得の人が帳簿に書く「年月日・事由・支払先・金額」の4つで残しておけば、帳簿を付け始めたときにそのまま写せます。
1年分の 所得は 20万円を 超える?
20万円は雑所得になるかどうかの線ではなく、年末調整を受けている会社員が、給与以外の所得の合計で確定申告をするかを決める線です(国税庁 No.1900)。対象は、給与を1か所から受け、給与の収入金額が2,000万円以下で、その全部が年末調整されている人です。
※
この人は、給与以外の所得が年20万円以下なら、所得税の確定申告は原則として要りません。20万円を超えると、確定申告で税金が戻る人を除いて、確定申告が要ります。医療費控除などで還付申告をするときは、20万円以下の所得も一緒に申告します。
この線の内側で所得税の確定申告をしない会社員も、住民税の申告は別に要ります。所得税は、雑所得でも事業所得でも同じ5%から45%の7段階の税率表で計算します(分離課税などを除く)。税額の目安や「バレるのか」という疑問には、メルカリの税金の記事で答えています。
20万円は 売上では なく所得で 比べる (家の物の 売上は足さない)
給与を1か所から受けている会社員なら、20万円と比べるのは給与以外の所得の合計で、服や本など家で使っていた物の売上は入れません。メルカリの分では仕入れた物・作った物の所得が入り、1個または1組で30万円を超える貴金属などを売った譲渡所得や、ほかの副業の所得があれば、それも合計します。売上から必要経費を引いた所得で比べ、売上の額では比べません。
前の節の1年分の例で、仕入れた古着の所得が27万円、家の物の売上が20万円なら、20万円と比べるのは27万円の方です。27万円は20万円を超えるので、この会社員は確定申告をする側に入ります。
税理士ドットコムには、カメラの機材を入れ替えるために使っていた機材や服を売り、年の売上が167万円、同じ年に買った機材が133万円だった会社員の相談があります。1点で30万円を超える品もあり、「20万円を超えたら申告」と「不用品は申告不要」のどちらに当たるのか、決めきれずにいました。
使っていた機材や服を入れ替えのために売った分は、家の物の側に入るのが一般的です。
非課税から外れる30万円超の品は、貴石・貴金属・真珠などとその製品、書画・骨董・美術工芸品などに限られています。カメラやレンズは、この並びに出てきません。入れ替えのために売った、自分で使っていたカメラやレンズなら、1点30万円を超えていても、条文の並びの上では非課税の側に入るのが一般的です。営利を目的として続けて売っている物は、カメラやレンズでも譲渡所得に含まれず、早見表の3行目の側です。
期限と、 出さなかった ときの加算税
確定申告の期間は原則2月16日から3月15日までで、土日祝に当たるときは翌営業日までです。
期限を過ぎても、税務署から調査の事前通知が来る前に自分から出せば、無申告加算税は5%です。期限から1か月以内に自分から出し、納める税金を法定納期限までに全部納めているなど一定の要件を満たせば、無申告加算税はかかりません。税務署から調査の事前通知が来た後に出すと、割合は次の表のとおり上がります。
| 期限後に出した時期 | 無申告加算税 |
|---|---|
| 調査の事前通知の前に自分から | 5% |
| 事前通知の後、調査の前 | 10%(50万円超300万円以下の部分は15%、300万円超の部分は25%) |
| 調査を受けた後 | 15%(50万円超300万円以下の部分は20%、300万円超の部分は30%) |
令和5年分以降の割合で、国税庁 No.2024 による。
前年や前々年に無申告加算税を課されたことがある場合などは、表の割合にさらに10%が加算されます。期限後に出して納める税金には延滞税もかかり、本税だけが対象です。令和8年中の割合は、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、その後が年9.1%です。
申告書の 雑所得の 欄の 埋め方( 「業務」か 「その他」 か・種目)
帳簿を付けていない今年の分は申告書の雑所得のうち「その他」の欄に、帳簿を保存して雑所得で申告する年の分は「業務」の欄に入れるのが一般的です(国税庁 雑所得の手引き)。「業務」の側の根拠は、所得税基本通達35-2が、営利を目的とする継続的な資産の譲渡から生ずる所得を、業務に係る雑所得の例に挙げていることです。
雑所得
様式を簡略化したイメージ
※
一方で、同じ通達の注は、帳簿書類を保存していない場合の資産の譲渡から生ずる所得を、「譲渡所得又はその他雑所得」としています(収入金額が300万円を超え、事業所得と認められる事実がある場合を除く)。仕入れた物を続けて売る所得は譲渡所得に含まれないので、帳簿の無い今年の分は「その他」の雑所得になる、というのがこの注の読み方です。
フリマの売上をどちらの欄に書くかを名指しした国税庁の説明は無く、作成コーナーの案内も「雑(業務・その他)」を選ぶところまでです。どちらの欄に書いても雑所得として総所得金額に入り、税率は同じ表を当てます。
国税庁の確定申告書等作成コーナーでメルカリの確定申告を進めるときは、「申告する所得の選択等」画面で「雑(業務・その他)」を選び、「収入・所得の入力」画面の「雑所得(業務・その他)」から入力します。帳簿を保存して「業務」の欄に書く年なら、前の1年分の例と同じ金額(売上72万円・必要経費45万円)で、収入金額に720,000円、必要経費に450,000円を書き、差引金額は270,000円です。帳簿の無い今年の分を「その他」の欄に書くときも、雑所得の金額は収入金額から必要経費を引いた270,000円です。
収支内訳書は、帳簿を保存して「業務」の欄に書く人なら、雑(業務)の分にも使えます。前々年の業務に係る雑所得の収入金額(売上)が1,000万円を超える人は、確定申告書に収支内訳書などを添えて出します。
「業務」と 「その他」、 種目の 「その他」の 違い
申告書の雑所得まわりで「その他」は2か所に出てきて、指す物が違います。1つ目は雑所得の区分の「その他」で、個人年金保険や暗号資産の取引など、公的年金等にも業務にも当たらない所得が入ります。2つ目は作成コーナーの種目の候補にある「その他」で、候補に無い名前を自分で入れたいときに選びます。
知恵袋には、メルカリの売買が「業務」に当たるのかを聞く相談や、種目を「その他」にするか「オークション販売」にするかで迷う相談があります。種目は候補から選ぶか「その他」を選んで名前を入れる欄なので、「その他」を選んでから、名前に「オークション販売」のような売り方を入れる形になります。
国税庁の副業の入力例(令和2年分の画面)では、種目に「その他」を選んで「副業」と入れています。フリマの売上の種目名を国税庁が示した例はありません。名前は自分で決めます。種目の名前は「副業」より、「中古衣料の販売」のように何を売ったかが分かる名前にしてください。来年も同じ名前で書けば、2年分の申告書を並べたときに同じ所得だと分かるからです。
所得の 生ずる場所・ 支払者・ 源泉徴収税額の欄
国税庁の副業の入力例では、源泉徴収税額に支払調書の源泉徴収税額を入れ、支払調書が無ければ何も入れません。
所得の生ずる場所と支払者の欄は、同じ副業の入力例では、取引先の名称と所在地を入れ、取引先が複数なら「●●ほか」とまとめています。作成コーナーの案内も、所得の生ずる場所は支払者の住所・所在地、支払者の氏名・名称は支払者の氏名か会社名としています。フリマの売上でこの2つの欄に何を書くかの例は、作成コーナーの案内にも副業の入力例にもありません。
2つの欄は、副業の入力例の形に寄せて、売ったアプリを運営する会社の名称と所在地を入れ、2つ以上のアプリで売った年は「●●ほか」の形でまとめてください。買った人は取引ごとに違って1人ずつは書けず、メルカリでは売れた代金がどの取引でも販売利益としてメルカリの残高に入るからです。
来年も 続けるなら、 帳簿を 付けるかで 事業所得かが 決まる
来年も仕入れて売るなら、取引を帳簿に記録して保存すれば収入金額(売上)が300万円以下でも原則は事業所得になり、帳簿が無ければ300万円以下の間は雑所得のままです(国税庁 通達35-2)。自分で作った物を続けて売る所得も、同じ線で分かれるのが一般的です。
帳簿を 付けていない 今年の 分は 雑所得の まま (収入300万円 以下なら)
帳簿を付けていない今年の分は、収入金額(売上)が300万円以下なら事業所得にならず、雑所得のままです。国税庁の通達の解説は、取引を帳簿に記録していない場合や、記録しても保存していない場合は、原則として事業所得に区分されないとしています。
収入金額が300万円を超える規模なら、帳簿が無いことだけで区分を決めず、事業所得と認められる事実があれば事業所得として扱います。この300万円は、前々年の収入金額が300万円以下の小さな業務には取引の書類の保存を求めない、という令和2年度の改正に合わせた線です。
前の1年分の例のように、売上が72万円で帳簿を付けていない会社員なら、今年の分は雑所得で申告するのが一般的です。
帳簿を 保存していれば、 300万円以下でも 原則は 事業所得 (本業の1割 未満などは 個別に見られる)
帳簿を付けて保存していれば、収入金額(売上)が300万円以下でも、原則として事業所得に区分されます。例外として、収入金額が例年300万円以下で、本業の収入に対する割合が1割(10%)未満のときは、事業と認められるかが個別に判断されます。例年赤字で、赤字をなくす取り組みをしていないときも同じです。「例年」は、おおむね3年程度の期間です。
税理士ドットコムには、販売が終わったグッズを中古で集め、状態の良い物に買い替えては古い方を出品するうちに、取引が月に数百件、入金が月20〜30万円になった会社員の相談があります。買い替えた古い方を売るのを月に数百件くり返していれば、家の物の側には入らず、早見表の3行目に入るのが一般的です。
入金額は販売手数料と送料を引いた後の額なので、売上は入金の合計より大きくなります。月20〜30万円の入金が1年続けば、入金だけで240万〜360万円です。
帳簿は、来年1月の最初の取引から付けてください。付けておけば事業所得として申告する道が開け、雑所得のままでも1年分の必要経費をそのまま出せるからです。
事業所得に すると変わる こと (青色申告・ 赤字の通算・ メルカリShops)
事業所得にすると、雑所得ではできない青色申告ができ、赤字を給与などから差し引けるようになります。
| 比較項目 | 雑所得(業務) | 事業所得 |
|---|---|---|
| 青色申告 | × できない | ○ できる(令和8年分までは、複式簿記などの条件を満たすと控除は最高65万円) |
| 赤字の通算 | × できない(給与などと差し引けず、翌年にも繰り越せない) | ○ できる(給与などから差し引け、青色申告で毎年申告すれば翌年以後3年間繰り越せる) |
| 帳簿の義務 | 書類の保存が要る(前々年の収入金額が300万円を超えるとき) | 記帳と保存が要る(白色申告でも) |
| 売る場所 | メルカリ(フリマアプリ) | メルカリShops(個人事業主として商品を売るなら、Shopsが前提になるのが一般的) |
令和8年分の制度で、国税庁 No.2070・No.2072・No.2250 などによる。
青色申告をするには、青色申告承認申請書を、青色申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に業務を始めた場合は、始めた日から2か月以内)に出します。
メルカリの利用規約(2025年10月22日改定)では、メルカリが指定した法人以外の事業者は、フリマアプリのメルカリに登録できません。こうした事業者はメルカリShopsへの登録を申し込むことになっていて、メルカリはこの事業者に個人事業主も含まれると説明しています。
税理士ドットコムには、青色申告をしているフリーランスが、仕事の少ない時期に家で使っていた物を売った分も申告に入れるのかを聞く相談があります。家で使っていた服や家具を売った分なら、早見表の1行目のとおり非課税で、事業の売上には足しません。
フリマネージャーで、 1件ずつ 書き出す作業を 売上の 取り込みに 置き換える
個人のメルカリには、売上や取引の履歴をCSVで書き出す公式の機能がありません。販売価格・販売手数料・送料を書き出すには、売上履歴を見ながら1件ずつ写すことになります。件数が少ないうちは手で写しても回せますが、件数が増えるほど写す時間がかかり、写し間違いや写し漏れも増えます。
取引が増えて写すのが重くなったら、メルカリの売上をChrome拡張で自動で記録するフリマネージャーも使えます。ほかのフリマの売上は手入力で同じ画面にまとめられ、自動で取り込めるのは今はメルカリだけです。
ライトから使える経費の記録では、梱包材などの経費を手入力で一覧にし、証憑も一緒に保存できます。在庫と棚卸しの機能もライトから使え、年末に売れ残った在庫を数えられます。帳簿を付けて事業所得で申告するなら、スタンダードと確定申告プランで、弥生・freee・マネーフォワードの形式のCSVを書き出して会計ソフトに移せます。
まとめ
- 家で使っていた服・家具・本を売った分は非課税なので外す。1個または1組で30万円を超える貴金属などは譲渡所得として別に分ける
- 仕入れた物・作った物の分は、1件ごとに販売価格・仕入れ値・販売手数料・送料を書き出して所得を出す
- 年末に売れ残った物の仕入れ値は、今年の必要経費に入れない(現金主義の特例を選んだ場合を除く)
- 20万円と比べるのは売上から必要経費を引いた所得で、確定申告の期限は原則3月15日
- 申告書では、帳簿の無い今年の分は雑所得の「その他」、帳簿を保存して雑所得で申告する年は「業務」に入れるのが一般的で、種目は「その他」を選んで売り方の名前を入れる
- 帳簿を付けて保存すれば、収入金額(売上)が300万円以下でも原則は事業所得になる
今年の分は、メルカリの販売履歴を開いて、1件ずつ「家の物」か「仕入れた物」かの印を付けるところから、今週のうちに始めてください。来年も仕入れて売るなら、1月の最初の取引を帳簿に1行書くかどうかを、その日に決めてください。
制度は国税庁・総務省などの公的な資料(本文のリンク)で確認しています。「業務」と「その他」のどちらに書くかで迷う場合や、1個または1組で30万円を超える貴金属などを売った場合は、税務署か税理士に確認してください。




